にのだん社会保険労務士事務所

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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和3年2月号(No.15)

【先入観にとらわれることなく「とにかくやってみよう」】             

私、今年の誕生日で48歳になる年男ですが恥ずかしながらも先日「たすき」ではなく「バトン」を持って走りました。 現在、中学生の子供と一緒に週に一度ランニング教室に通っており、普段大人は長距離走のプログラムをこなすのが練習メニューとなっていますが、今回コーチから「今日は子供たちと一緒にリレーをしませんか?」と声をかけられて走ることになりました。はじめは「この歳になって全力で走ることなんてできるかなあ」「アキレス腱断裂したらどうしよう」「やっぱり走るの恥ずかしいなあ」などいろいろ考えが頭をよぎりましたが、「とにかくやってみよう」と思い参加しました。チームのアンカーを任されることになり、スタートしてから自分の順番が近づいてくるドキドキ感がとても気持ちよく、バトンを受け取ってからは必死に全力疾走して、一緒に走る小学生に申し訳ないと思いながらも、途中で追い抜いて1着でゴールしました。ゴール後、子供たちから「おっちゃん速いなあ」「また今度もやろう」といっぱい話しかけられ、恥ずかしながらも嬉しく感じました。高校時代、陸上競技最後の大会で1600メートルリレーを走って以来約30年ぶりにバトンを持って走ったので、あの頃の走る興奮や楽しさがよみがえり、とても楽しい時間を過ごすことができました。普段は無理なく長距離を走りながら、全力で走ることなんか考えることは全くありませんでしたので、リレーを走る前は年齢を理由にして「無理」という気持ちが強かったかもしれません。しかし何気なく声をかけられて、それが背中を押されるきっかけとなり、バトンを持って走ると普段では考えられない力を今回発揮することができたのかもしれません。これは単に趣味でやっているランニングばかりでなく、普段の業務や仕事にも言えることではないでしょうか?自分の置かれている環境に対して人は何かの理由をつけて変わろうとすることを否定または無理であると決めつけてしまっているかもしれません。しかし現在のような閉塞感漂う世の中で現状のままではなく、業務に対する新しい取り組みに挑戦してみたい、仕事をしながら普段感じている問題点を改善したいなど感じているのであれば、先入観にとらわれることなく「とにかくやってみよう」という行動力や突破力が時には必要であると感じます。今回私はたまたま30年ぶりのリレーにより普段では考えられない力を発揮することができましたが、何かのきっかけが心のスイッチやバトンとなって劇的なチェンジを生み出すのかもしれません。

【求人募集が少ない2月】

私はかつて6年ほど求人広告会社の営業職を経験していましたが、2月と8月はいわゆる「ニッパチ」と言われ、売上が下がる=求人広告がとれない厳しい月でした。原稿の締め切りが近づいてくると胃がキリキリする思いをした記憶がありますが、先月1月29日に厚生労働省が発表した2020年平均の有効求人倍率(ハローワークに申し込まれた求人数を求職者で割った値 を表したもの)が1.18倍で前年平均1.60倍と比べると0.42ポイントの低下となりました。当然コロナ禍の影響ではありますが、今回の大幅な低下は1975年のオイルショックの影響による0.59ポイント低下以来45年ぶりとのことです。また完全失業率(15歳以上の働く意欲のある人(労働力人口)のうち、仕事を探しても仕事に就くことのできない人(完全失業者)の割合)は前年比0.4ポイント上昇の2.8%で完全失業者数も前年比29万人増の191万人と11年ぶりの悪化とのことです。そして休業者数は1968年以降最多の256万人と大変厳しい雇用情勢が数字として表れましたが、2021年も劇的な改善は見込まれない可能性が高いと感じます。 過去の求人広告営業マン時代の話に戻りますが、当時もリーマンショック(平成20年)の影響があり、求人募集を集めるのに大変苦労した思い出があります。ちなみに翌年2009(平成21)年の有効求人倍率が0.47倍と数字だけ見れば悲惨な状況でありました。そんな中での営業活動は苦労の連続でしたが、唯一救われたのは求人広告を出した事業所さんからは「募集たくさん来たわ」「反響無茶苦茶良かったわ」という声でした。全体的に求人数が少ないところに応募者がたくさん集まるわけですから当然の結果ではありますが、広告に対する費用対効果があったため、事業所さんからは非常に感謝された記憶があります。 2021年においてもニッパチに限らず求人募集が少ない時期が続くかもしれません。景気が良い時は「売り手市場」により人材の獲得を優先したいが為に条件等を緩和して結果ミスマッチが発生したかもしれませんが、コロナ禍の影響の中、人材募集を検討するのならば、妥協のない質にこだわった条件で掲載することにより、事業所が理想と考える人材の獲得に繋がるかもしれません。

~最後までお読みいただきありがとうございました~